Visual Basic 中学校 |
Visual Basic 2008のリリース時期が2007年末から2008年初頭に決定しました。ここではVisual Basic 2008のダウンロード情報を中心に、リリースに関する情報と、Visual Basic 2008の新機能についても簡単に紹介します。
概要 ・ VB2008を含むVisual Studio 2008 Beta2の日本版は以下のサイトからダウンロードできる。 ・上記のインストールは注意事項をよく読んでから行う必要がある。 ・VB2008は2007年末から2008年初頭にリリースされる予定。 ・VB2008単体で提供されるのはExpress Editionのみで、上位エディションはVisual Studio 2008の一部として提供される。 ・Express Editionは製品版も無償で提供されると思う。 ・最上級エディションは製品版では定価150万円くらいで提供されると思う。 ・マイクロソフトでは2008の次のバージョンであるコード名 Visual Studio Rosario の開発が既に始まっている。 |
これからVB2008についての説明をしますが、その前に、VB2008は完成前のベータ版が無料でダウンロードできるようになっているので興味がある人は実際にダウンロードしてさわってみてください。やはり説明を読むより自分で操作した方がわかりやすいです。
ベータ版は完成前の製品です。ですので、十分に検証されていなかったりバグがある場合もあります。 ですから、インストールする場合は万一OSごと壊れてしまっても取り返しがつく環境で行ってください。さすがにOSごと壊れたという経験はありませんが、それくらいの覚悟は必要です。 私はそのためによく、Virtual PCを利用します。Virtual PCは無償なうえ、仮想環境を構築できるので重宝します。 また、インストールの前にはマイクロソフトが提供するリリースノートなどのドキュメントを読んでください。このドキュメントには既知の問題点などが記されてます。 最後に、仮にすべてがうまくいったとしても製品版がリリースされた場合、ベータ版がインストールされている環境では製品版のインストールのために余計な手順が必要になる場合がありますので、これにも注意してください。 |
ダウンロードは2つ提供されており、1つはVisual Studio Team System 2008 Beta2です。これはVisual Studioの最上級版で定価は150万円程度になるものと予想されますが、ベータ版なので無料です。なお、Visual StudioとはVisual BasicやVisual C#などいくつかの開発環境がセットになっている商品で、Express Edition以外は言語別の単体でのリリースはされない予定です。
Visual Studio Team System 2008 Beta2 日本語版
もう1つはExpress Editionです。2005のときと同様Visual Basic 2008, Visual C# 2008, Visual J# 2008, Visual Web Developer 2008の各Express Editionがリリースされる予定です。2005のときはExpress Editionとは基本的な機能のみに限定する代わりに無料で使用できる開発環境でした。2008のときもおそらく無料で提供されるものとは思います。「基本的な機能のみに限定」と言っても言語自体は完全な機能が使用できますので、大規模システムやチーム開発、本格的なデータベースアプリケーションなどを作成しない場合には十分です。
今回はベータ版なので4つのExpress Editionが1セットで提供されています。「私はVBしかいらない」と言う人も、セットで全部ダウンロードすることになります。
Visual Studio 2008 Express Edtion Beta2 日本語版
このリンク先のページにある、Visual Studio 2008 Express Edition Combo DVDというところからダウンロードできます。
ダウンロード対象はCD/DVDイメージですので、Daemon Toolsなどのソフトを使ってインストールを行います。VB2005 Express Editionの場合の例がこちらにありますのでわからない方は参考にしてください。
マイクロソフトはWebからインストールする方法も提供しているようですが、私はこの方法は2005のときの経験からお勧めしません。
Visual Basic 2008はVisual Basic 2005の後継製品で、2007年末から2008年初頭にかけてリリースされる予定です。基本的な機能のみに限定したExpress Editionはおそらく無料での提供になると思われます。それ以上の有償のエディション(版)は数万円から百万円以上の定価になると思われます。
Visual Basic 単体で提供されるのはExpress Editionのみで、上位エディションはC#やJ#などとセットでVisual Studioと製品の一部として提供されます。
Visual Studioは単に各言語がセットになっているだけではなく開発環境や付属するツールにも大きな差別化が図られます。しかしながら言語機能はどのエディションでも変わらないので、Visual BasicでできることであればExpress Editionでもできます。下位エディションではツールの支援が受けられないだけです。
Visual Studioの製品情報については以下のサイトをご覧ください。
http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/future/default.aspx
なお、Visual Basic 2008は少し前まで仮称でVisual Basic 9.0と呼ばれていました。Visual Basic 9.0の情報はそのままVisual Basic 2008に当てはまります。
Visual Basic 2008には新構文LINQなど大きな新しい要素が追加される予定です。既存の構文の変更などはなくあくまでも「追加」のみですので、今までVB.NET(2002), VB.NET2003, VB2005で開発したコードはそのまま動作する予定です。
ただし、対応する.NET Framework 3.5はVB2005のときに標準だった.NET Framework 2.0に相当大きな追加がされています。既存の要素でも変更されたものがあるかもしれません。
Visual Basic の新機能については依然、まだVisual Basic 2008がVisual Basic 9.0と呼ばれていたころに書いたまとめ記事がありますので、そちらを参照してください。
今回のVisual Basic 2008とは直接関係ないのですが、マイクロソフトではすでにその次のバージョンのVisual Studioであるコード名「Rosario」の開発がはじまっています。とはいってもどうも、「Rosario」とはVisual BasicというよりもVisual Studioの上位版についているさまざまなシステム開発支援機能のことを指しているようにも思えます。
参考に過去のVisual Studioのコード名を表にまとめてみましたが、「Rosario」というコード名の由来はまだよくわかりません。
製品 | コード名 | コード名の意味 |
Visual Studio.NET (2002) | Rainier | レーニア山(地名。アメリカのワシントン州) |
Visual Studio.NET 2003 | Everett | エヴァレット市(地名。アメリカ 、ワシントン州ピュージェット湾近辺) |
Visual Studio 2005 | Whidbey | ウィッドビー島(地名。 ホイッドビー島。アメリカ、ワシントン州 ピュージェット湾) |
Visual Studio 2008 | Orcas | オーカス島(地名。アメリカ、ワシントン州ピュージェット湾) |
次期次期Visual Studio | Rosario | ??地名(アメリカ、ワシントン州)? |
コード名に関しては掲示板に興味深い情報を投稿いただきましたので、興味のある方は参考にしてみてください。
http://rucio.bbs.coocan.jp/?m=listthread&t_id=140&summary=on
また、Rosario関係でリリースされている情報は開発プロセスの支援機能やテスト機能に関するものしかなく、VB開発者向けの情報はありません。けれども、今後VBがどう発展していくかをうらなううえでRosarioから目を離すことはできないでしょう。
http://msdn2.microsoft.com/ja-jp/teamsystem/bb725993.aspx
個人的な感想ですが、コード名を見ると昔の気持ちがよみがえってきます。EverettやWhidbeyに関する新機能の情報を見てわくわくした日はつい最近のようですが、もう5年も経ってしまったのですね。Visual Studio.NET (2002)のベータ版を入手したときの興奮も思い出されます。その時は、確か一般人としてマイクロソフトに申し込んで実費で送ってもらったのでした(今はMVPなのでもっと楽に入手できます)。私にとってRosarioには神秘的な響きがありますが、そう遠くない将来、Rosarioという響きをみて懐かしく思う日がやってくることでしょう。